季節の変わり目や、コーディネートのワンポイントに大活躍するストール。
毎月のように雑誌にも特集されていたり、かわいいコーデがのっていたり、1枚はもっていたいアイテム!
今や、ストールは防寒のために秋冬にだけに巻くものではありません。
夏には電車や会社の中での冷房対策はもちろん、日焼け防止にも大活躍するおしゃれ上級者のファッションアイテムです。
出典:http://weheartit.com/
ストールはマフラーやスカーフに比べ、薄手のものから厚手のものまで幅広く揃っているため、オールシーズン使うことができます。
大事なのは、シーズン毎にストールを”使い分ける”ということ!
好きな色や柄であっても、暑かったり寒かったりするとだんだんと使わなくなってしまいますよね。
ストール選びの際、一番大事なのはデザイン性の前に素材なのです。
今回はカシミヤ100%ストールブランド「re:gre」のスタイリストが、素材から考えるストールの選び方についてお話していきます。
素材からストール選ぶことで、1年中快適に過ごすことができるようになります。
ストールの素材
洋服と同じようにカシミヤやシルク、ウールにアンゴラ、リネンにアクリル・・・とストールには本当に様々な素材が使われています。
今ではハイブランド~プチプラブランドまで多くのブランドから、毎年多くのストールが発売されています。
ストールの素材は大きく分けると天然繊維と科学繊維にわけられます。
それぞれの素材の違いや特徴を知ることで、使う場面や使い心地も変わってきますので、季節や場面にあわせたストール選びができるようになります。
特にストールは直接、顔や首などの素肌に直接ふれるものですから、肌触りや効果も大事なポイントになってきます。
出典:http://www.lefashion.com/
■ 天然繊維
天然繊維は人工的に作られたものではない繊維のことで、植物繊維の綿や麻、動物繊維のウール、シルク、獣毛、羽毛など科学的な加工がされていないもののことを言います。
天然繊維は本物志向が強い方に特に好まれている素材です。
特に、カシミヤやウール、シルク×カシミヤの天然素材のものは、肌触りがいいことはもちろん、遠くから見ても品格や高級感が感じられるので特に日本人に人気のある素材です。
カシミヤ
出典:https://www.fastcompany.com/
薄手であたたかい、極上の肌ざわり
ストールやマフラーの素材として人気が高く、一番にあがるのがカシミヤですよね!
カシミヤ山羊の表面の毛の下に生えている柔らかいうぶ毛を繊維にしたものがカシミヤなのです。
カシミヤは生産量がとっても少なく、カシミヤ山羊1頭あたりから取れる毛の量はわずか150~200gほどしかありません。
希少価値が高い最高級品のカシミヤは、「繊維の宝石」とも呼ばれています。
ウールよりも繊細で、ふんわりとやわらかで、とろけるような極上の肌ざわりです。
カジュアルにもエレガントにも使うことができます。
■メリット
- 1本1本の繊維がとても細く、しなやかなので手触りがとっても柔らかく、長く巻いていても快適!
- シルクのような光沢とぬれたようなしっとりとした質感
- ウールに比べて1本1本の毛が細く長いため、空気をふくみやすく、保温性が高く防寒性にすぐれている
- ウールに比べ、薄手に仕上げられているので巻きやすい
■デメリット
- 1本1本の繊維が細いため、ウールなどの素材に比べて弱く、擦れたときにわかりやすい
- シミにもなりやすいデリケートな素材
- ストール1枚作るのに数等分のカシミヤ山羊の毛が必要なため、値段も高めなものが多め
ウール(羊毛)
出典:http://disorganized72.tumblr.com/
空気を含んで保温力抜群
羊毛が使われているウール素材のものは保温性が高く、セーターやコートなどの他、ストールにもよく使われている素材です。
カシミヤよりも毛が太く、光沢はあまりありません。ふわふわと柔らかい手触りで軽い使用感が特徴です。
羊の毛は1本1本が縮れているため空気を含みやすく、外気の暑さや寒さを防いでくれます。
■メリット
- 保温性が高く、とてもあたたかい
天然素材の中でもっとも吸湿性が高いのがウールです。吸湿すると発熱するため、保温性に優れています。 - 蒸れにくいので、さわやかに過ごせる
綿の約2倍、ポリエステルの約40倍の吸湿性があるので、汗を書いても蒸れにくくサラッと快適に過ごすことができます。ただし真夏の太陽の下では暑いため使いにくい素材です。夏は、電車や会社など室内での冷房対策やひざかけにするとよいでしょう。 - 静電気が発生しにくい
寒くなると気になるのが静電気。静電気が発生しにくい素材のため、静電気が苦手な人におすすめの素材です。チリやゴミもつきにくいため清潔です。 - 水をはじきやすいため、汚れにくい
- シワになりにくく、型崩れしにくい
- 抗菌・防臭効果
ウィルスや細菌が繁殖しにくい素材のため、嫌な臭いがつきにくく、長く使うことができます。 - 毛玉ができてしまっても毛玉ごととってしまっても大丈夫ですし、ポロっと自然に落ちてしまうので、カシミヤなどに比べるとケアの仕方や扱いが楽な素材です。
■デメリット
- 人によっては身に付けたときにチクチクすることも
ウールはグレードによって風合いや品質が変わってしまいます。安物の低級なウールは繊維が太いため、肌に触れるとチクチクしたりゴワゴワしてしまうものもあります。高級グレートのウールになると繊維が細いため、とてもしなやかでやわらかい肌触りになりチクチクすることがありません。日本製や外国製に関わらず、ウールマークのついているものを選びましょう。 - 他の素材に比べ、やや重ため
- 虫がつきやすく、毛玉ができやすい
- ストール1枚作るのに数等分のカシミヤ山羊の毛が必要なため、高価
アンゴラ
出典:http://www.oversodoinverso.com.br/
保湿性に優れ、軽くて暖か
アンゴラウサギの毛で、とっても細い繊維のため、柔らかくなめらかな風合いが特徴で、保温性や保湿性にも優れています。繊維が長いため、ラグジュアリーな雰囲気になります。
光沢のある毛のため、パステルカラーのものは特に美しさが引き立ちます。
決して安くはありませんが、カシミヤほどは高くありませんので人気の素材です。
■メリット
- ウールに比べ1/3軽く、暖かさはウールの約3倍といわれ、あたたかみのある素材感
- 水をはじく性質と湿気をよく吸収する性質をあわせ持っています
■デメリット
- 表面がなめらかなため、毛がぬけやすく、毛玉になりやすい
- 静電気がおきやすい
- 水の影響で伸縮しやすい
シルク
出典:http://www.silkweavingstudio.com/
繊維の中でもっとも美しい光沢
シルクは蚕がうみだす絹糸から作られており、天然繊維の中で最も細く日本で生産される唯一の原料です。
肌ざわりが柔らく滑らかで肌に馴染みやすく、高級感のある風合いで人気の素材です。
優れた吸放湿性で肌を常に清潔に保ち、細菌の繁殖を抑えてくれるので、素肌が潤い、若々しさを保ってくれます。アトピーの人にもおすすめの素材です。
他の素材に比べもっとも光沢感が有り、染色した際の発色性の良いため、ストールにすると上品な印象になり、ドレッシーなスタイルやパーティーにもよく似合います。
■メリット
- 真珠のような気品のある美しい光沢
シルクは繊維断面が三角形のため光を反射し、真珠のような美しい光沢感があります。 - しっとりとした極上のなめらかな肌ざわり
人間の肌と同じタンパク質(18種類の編みの酸)から構成されているため、第二の肌ともよばれており、滑らかで摩擦や刺激がなく、肌に馴染みやすい。 - 冬はあたたかく、夏は涼しく1年中着心地が良い
シルクは綿に比べて吸水性が約1.5倍あり、高い吸湿性にもすぐれているため、暑い夏の時期にストールを巻いてもサラッとして常に適度な潤いを保ってくれるため、快適に過ごせます。また、空気を沢山含むため断熱効果が高く、保温性にも優れているため、、冬でも着ているだけで暖かく過ごすことができ、さらに高い保湿性で乾燥からも肌を守ってくれます。 - しなやかなドレープ性がある
- 他の繊維に比べて大変軽く、しなやか
- 肌に有害な紫外線をカットしてくれる
絹糸から作られた繭が蚕の成長を妨げる紫外線を吸収し、蚕を紫外線から守ってくれます。紫外線を吸収してくれるため、春や夏など紫外線が気になる季節の日焼け防止や、冷房対策にもおすすめです。 - 保湿性が高く、静電気をおこしにくい
■デメリット
- 希少素材のため価格が高い
- 汗・雨に弱く、鮮やかな色ほど色落ちしやすく、シミができやすい
- 太陽光に弱い
シルクはタンパク質でできているため、長時間日光にあててしまうと黄色く変色してしまうこともあります。洗濯後や着用後に干す場合は必ず陰干しにしましょう。 - 繊維が細いため摩擦に弱い
- ケアには正しい知識が必要
洗濯機で洗うことができないため、手で押し洗いをし、陰干しするなど、丁寧にケアする必要があります。虫にもくわれやすいため、正しい知識が必要です。
コットン
出典:https://www.google.co.jp/
刺激の少ないやわらかな素材
コットンとは綿のことで、その素材となる綿花は世界60カ国以上で栽培されていて、天然繊維の中で最も多く使われている素材です。
綿のクオリティは産地や品種によってかわり、綿繊維が長いほど細い糸ができるため、手触りや風合いもやわらかくなり、密度の細かなものになるため、高級感がでます。
適度な弾力と保温性を持っており、通気性も良いため一年中使用することができます。吸湿性にも優れているので、嫌な臭いも吸い取る効果もあります。
■メリット
- 吸水性と乾燥性に優れている
- 敏感肌にも優しいやわらかな肌ざわり
綿は繊維の先が丸くなっていますので、触り心地もやわらかで肌触りがよく、敏感肌の人にも優しい着け心地です。 - 秋・春は暖か、夏は涼しい
綿は適度な弾力と保温性をもっています。綿は、繊維の中が空間になっているため軽く、その中に空気を含むため保温性が高く、秋や春先であれば十分使うことができます。 - 通気性や吸湿性、吸水性が高い
吸湿性が高く、内部の水分を発散してくれるので、嫌な臭いも吸い取る効果もあります。通気性がよいだけでなく、水分を発散する際に肌表面の温度をさげてくれるため、夏は特にコットンのストールを使うとサラッと爽やかに過ごすことができます。さらに吸水性が非常に高く、、水分や汗をすぐに吸収してくれるので、特に夏の暑い時期におすすめの素材です。 - 洗濯もでき、長く使える
水にも強く、何度も洗濯することが可能です。綿は濡れると強度が15%〜20%上がるといわれています。石鹸やアルカリ洗剤を使っても問題ないため家庭でのメンテナンスも簡単です。何度も洗濯し、繰り返し使える素材としてとても優れています。 - 染色性や発色性に優れているため、様々な色を表現することができます
■デメリット
- 洗濯で縮んだり、シワになりやすい
濡れると膨張し、乾くと縮んでしまいやすいためシワになりやすい素材です。形態安定性の良いポリエステルを混ぜるとシワになりにくくなります。
欠点を補うために形態安定性の良いポリエステルと混ぜたり、薬品で処理をして形態安定性を保ったりすることもあります。 - 染色してある生地は色が落ちていくことがあります。
- 長時間日光にあててしまうと黄色く変色してしまうこともあります。
麻
出典:https://www.google.co.jp/
シャリ感があって通気性に優れた爽やか素材
麻は植物を使った繊維ですが、一口に麻と言ってもその種類は20種近くあります。よく知られているのは「亜麻(リネン)」と「苧麻(ラミー)」ですが、ケアラベルなどの表示ではすべて「麻」という名前で統一されます。
麻は、マカロニのように中央に大きな穴が開いており繊維が吸ったり吐いたりする力を持っています。そのため吸湿性と発散性に優れており、繊維量の多さから通気性がよいためサラッとした使い心地になり、夏用のストールとしても最適です。
シャリ感のあるリネンは、肌に触れた時にひんやりするような清涼感があり温かみのない素材なので、暑い夏の季節や暑がりさんにおすすめです。
涼しげで光沢感があり、使えば使うほど肌になじみやわらかくなっていきます。また、ストールを巻いた時にふんわりとしたドレープ感が出るのも特徴です。
■メリット
- 衣料品に使用される素材の中で最も耐久性があります。
- 清涼感があり、爽やかなつけ心地
天然繊維中で最もシャリ感があるため、肌にベタベタせず爽やかなつけ心地です。綿と同じように、繊維の先が丸いのでさわり心地が優れています。 - 水分の吸収性や発散性に優れている
麻は、熱伝導が早くすぐに発散し、水分の吸湿性や発散性も高いため、汗をかいてもベタベタせず、いつも爽やかで快適に過ごすことができます。 - 耐久性が強く、繰り返し洗濯して長く使えます
麻は水に濡れると乾燥時よりも強度が60%増え、綿の2倍、羊毛の4倍の強度になります。汚れも落ちやすいため、長く使うことができます。ただし、洗濯や着用を繰り返すとシャリ感やコシは失われてしまいます。
■デメリット
- シワになりやすい
麻は強度がある代わりに伸び縮みしにくく、生地の復元力も弱いため、シワができやすい素材です。シワ感は麻の独特の雰囲気を醸し出してくれるため、ファッションの一部と捉えることができればある意味では利点とも言える特徴です。 - 摩擦に弱い
摩擦をうけると白っぽく色あせてしまうことがあります。特にぬれたままこすったりしないように気をつけましょう。 - 色落ちしやすい
手洗いで洗濯後、脱水後は型を整える必要があります。また、麻は繊維の内部まで染料が浸透しにくいため、着用中の摩擦や汗で色移りしてしまたり、白化や毛羽立ち、部分的な脱色が他の素材に比べて起こりやすくなっています。
■科学繊維
化学繊維は人工的に作られた糸のことで、多くの種類があります。ストールによく使われる素材としては、ポリエステル、アクリル、ナイロン、ビスコース、モダールなどがあります。
化学繊維は人工的に作られた糸のことで、再生繊維のレーヨン、キュプラ、半合成繊維のアセテート、合成繊維のナイロン、ポリエステル、アクリルなど多くの種類があります。科学繊維のものは取り扱いやすく、価格も安く気軽に使えるものが多くなっています。中でもレーヨンの一種である特殊繊維のモダールは、化学繊維ながら肌触りがいいため、この素材を採用する上質ブランドも増えています。
ナイロン
世界で初めて作られた合成繊維であるナイロンは、非常に強い弾力性があるため、ウールなどに混ぜると上部になります。軽くて汚れにくいうえにシワになりにくく、虫害に強いのも特徴です。ただし、吸湿性が少なく、乾くのは早いですが水分はなかなか吸い取ってくれません。また、静電気も発生しやすい性質もあります。
ポリエステル
石油を原料としており、日本で一番生産されている合成繊維がポリエステルです。ポリエステルは強度が高く、しわになったり型くずれしにくく、コストが安いといったメリットがあります。ハリがあり、熱に強いのでアロンを使うこともできます。一方で吸湿性が少く、静電気が起きやすい、汚れると落としにくい、染色性があまりよくない、やや肌ざわりが硬い、一度汚れるとシミになりやすくなかなか落ちないと言ったデメリットがあります。ポリエステルは、、他の素材と混紡することでシワになりづらく、縮みにくくなります。
アクリル
ウールを目標にした合成繊維で、保温性や染色性がよく、しなやかな風合いと、ふんわりとやわらかな肌触りをもっています。またナイロン、ポリエステルと同じく型崩れしにくく、他の素材と混紡することで色を綺麗に出せるというメリットがあります。というメリットがあります。
レーヨン(ビスコース)
シルクに似た光沢・手触りが特徴のレーヨンは、紙と同じ木材パルプが原料になった再生繊維です。ドレープ性に優れ、涼感があるので夏にもむいている素材です。
水には弱く、水分を含むと糸が太くなってしまい、糸同士が引っ張る力が強くなるため縮みやすく、家庭では洗いにくい素材です。シワはアイロンで伸ばすことができますが、水に弱い素材ですのでスチームアイロンが厳禁です。
モダール
木材パルプを原料とした特殊レーヨンで、レーヨンに比べてしなやさでやわらかく、しっとりとした風合いが特徴です。結んだときにほどけづらく、収まりがよいのでストールにむいている素材です。とろみ感があり、発汗性や保温性に優れておりシルクのように薄くて軽いのが特徴です。
レーヨンは乾いている時よりも濡れた時の方が強度が弱くなりますが、通常のレーヨンに比べ、モダールは水濡れに強いといわれており、洗濯時の収縮も小さくなっています。
まとめ
このように、ストールには本当に様々な素材が使われています。
これを知ることで、デザインだけでなく、好みの肌ざわりや、使いたい場面や季節にピッタリのストールを選ぶことができるようになり、ストール選びだけでなく他の洋服や小物を選んぶ時や、スタイリングする時にも役に立ちます。
出典:https://jp.pinterest.com/
例えば春や秋など寒暖差の激しい時期はカシミヤ×シルクのストールがおすすめです。やわらかであたたかく、繊細な雰囲気なので、カジュアルなファッションにあわせるほど高級感がでるので30~40代の女性の方におすすめの素材です。
Tシャツにジーンズとシンプルなコーディネートになりがちな夏の季節に薄手で通気性の良いリネンやコットン素材のストールを選べば、快適で首元のアクセントになりオシャレにみえます。
だんだんと肌寒くなってきた秋や、寒さの厳しい冬にはエレガントにもカジュアルにもオールマイティに使えるカシミヤやウール素材のストールを選ぶと、防寒性だけでなく、こなれたオシャレ感を演出することができます。
使用用途やストールを使う季節を考えて、ゆずれないポイントをおさえると、自然にストールの素材は決まってくると思います。
きっと、長く愛用できるストールに出会えるはずです。ぜひ、あなたのストール選びの参考にしてくださいね!
季節ごとのストールの選び方はこちら↓
コメント