春や秋の季節の変わり目はもちろん、冷エアコンの効いた室内の寒さ対策として夏もストールの出番が増えて、常に持ち歩いているという人も多いのでは?
最近では、お家で手洗いできる薄手のカシミヤストールもふえてきて、1年を通してカシミヤ素材のストールを使う方が多くなっています。
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登場回数が多くなった分だけ気になるのが、デリケート素材であるカシミヤストールのお手入れですよね。
一見するとそれほど汚れておらず清潔に見えるストールですが、実は汚れやニオイがつきやすく、自分で思っているよりも汚れている場合が多いのだそう。
それもそのはず!冬でも汗をかきますし、煙草の煙や焼肉屋さんなどの食べ物屋の臭いなどなど。。。汚れや臭いは日々蓄積されていっているからなのです。
クリーニングしたり、お家で頻繁にストールを洗う人はまだまだ少ないようですが、首に巻くものなだけに汚れや臭いが気になりますよね。
上質のカシミヤはお値段も高いですが、その分きちんとお手入れすると、他の素材に比べとっても長持ちするのです。
じゃあ、クリーニングに頻繁にだせばいいんじゃない?って思ったそこのあなた!
ちょっと待って下さい!
そのお手入れ方法、実はまちがっているかもしれません・・・
今回は、カシミヤ100%ストールブランド「re:gre」のスタイリストが、カシミヤストールを長く大切に愛用するためのお手入れ方法をご紹介します。。
ドライクリーニングでのお手入れはダメって本当?
一般的に水洗いできないものは、ドライクリーニングにだすのが定番ですよね。
特にカシミヤの場合は、購入した時の金額が高価なことや、縮むことを心配してドライクリーニングを選ぶ方がほとんどです。
ストールは、もちろんクリーニングでお手入れしてもいいのですが、ドライクリーニングでは逆効果になってしまうことも・・・
というのも、そのドライクリーニングがくせものなのです!
家庭で洗濯する場合は、洗濯に使用して汚れてしまった水は、洗濯工程の度に排水して新しい水と入れ替えることができます。
しかし、ドライクリーニングの溶剤は排水して捨てることが環境汚染の問題で法律で禁じられているため、フィルターなどでこして再利用されています。
ですから例え、自分のカシミヤストールに元々そんな汚れがついていないから安心!と思ったとしても、ドライクリーニングしてしまうことで目に見えない汚れや臭いがうつってしまうこともあります。
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そんなストールを首に巻くことを想像するだけで、げんなりしてしまいますよね。
他にも、ドライクリーニングからもどってきたカシミヤをみて「せっかくクリーニングにだしたのに、購入した時のような手触りにはならなかった・・・」「なんだかパサついているな?」と思ったことはありませんか?
それは、カシミア特有のツヤとぬめり感を保つラノリン(動物性脂分)がドライクリーニングをしてしまったことで、抜けてしまったからなのです。
ラノリンとは、羊毛に付着している脂質成分を精製したもので、古代ギリシャやローマ、エジプトにおいてはこの脂質成分が人の肌に優しく化粧料や医薬品として利用されていたと言われています。
ラノリンのおかげでカシミヤ独特のツヤとぬめり感が味わえるのです。せっかくクリーニングにだしても、カシミヤの特徴であるツヤやヌメリ感が失われてしまっては意味がありません。
カシミヤのストールをドライクリーニングで洗うのはおすすめしないのはそんな理由からなのです。
では、そもそもドライクリーニングとはどのうような洗い方のことでしょうか?
ドライクリーニングとは?
洗濯機で水洗いするとシワができてしまいますよね。時には縮んでしまったり、色落ちがおきてしまうことも・・・
それを解決するための方法として、フランスで1830年頃に生まれたのがドライクリーニングなのです。
衣類を傷めないように水の変わりに石油や灯油、ガソリンなどの油の仲間である有機溶剤を使うことでシワや縮み、色落ちなど衣類への影響を抑えた洗濯方法です。
簡単に言ってしまうと、ドライクリーニングの正体は「水の代りにガソリンを使ったクリーニング」なのです。
そのため、家庭ではドライクリーニングをすることはできません。
ドライクリーニングが肌荒れの原因に!?
ドライクリーニングでつかわれる溶剤は「塩素系」と「石油系」の二つが現在では主流となっています。
塩素系の溶剤は洗浄力が強力ですが、人体に対する毒性が強く健康な皮膚からも吸収されてしまいます。洗浄後の熱風乾燥が不十分だと衣類に塩素系の溶剤が残留して肌荒れを起こし、カブレや急性アレルギーを発症してしまうことも・・・
石油系の溶剤は、いわゆる「ホワイト・ガソリン」です。こちらも石油ですから肌にふれないにこしたことはありません。
しかし、クリーニング店が半額にしてでもドライクリーニングをすすめるのは、水洗いでクリーニングした後のシワをのばすのに時間も手間も技術もかかるからなのです。
一方、ドライクリーニングであればアイロンいらずなので、作業効率も良く、何より簡単です。そんな理由からほとんどのものがドライクリーニングにまわされてしまうのです。
もちろん塩素系でも石油系溶剤でも、洗浄後の乾燥が十分に為されて衣類に溶剤が残留していなければ、ドライクリーニングは安全です。
ただし、1日で出来上がるような早い店は乾燥機だけで、吊るし干しをしないため 乾燥が不十分になることがあるため、ドライクリーニングに出す際はしっかりとしたクリーニング店にだすなど注意が必要です。
ドライクリーニングで蓄積される汚れや臭い
よくみかける「ドライ品半額!」のクリーニング店では、一度に大量に処理しますので見ず知らずのお客様のお洋服と一緒にクリーニングされてしまいます。
当然、尿ジミの付いたおじさんのズボンや汗をたっぷり吸い込んだシャツやおう吐物もあなたのカシミヤストールと一緒にクリーニングされてしまうかもしれません。
水洗いの場合は「汗」などの汚れや臭いをはじめ、ほとんどの汚れを溶かしだしてしまいます。
一方、汗などの塩分や、尿などの臭いはガソリンには溶け出すことがありません。だから、ドライクリーニングでは「汗」などの汚れや臭いを落とすことができないのです。
ドライクリーニングの洗浄力は、水洗いに比べてわずか数百分の一しかないといわれています。ドライクリーニングでは、ついてしまったばかりの油汚れかホコリ位しか落とすことができません。
カレーやしょうゆ、トマトソースなどの水溶性の汚れはドライクリーニングでは絶対に落とすことができないのです。
汚れを繊維の中までしっかり落とし切ることができないため、ドライクリーニングを繰り返すことで、落とし切れなかった汗がだんだんと酸化して、色が変色してしまったりカシミヤを痛めてしまったりということがよくあります。
汗でカシミヤの色がなぜ色が変色してしまうの?
では、汗をそのままおいておくと、なぜ色が黄色っぽく変色してしまうのでしょうか?
汗には尿素や、アンモニア、皮脂、たんぱく質等、色々な物質が含まれています。それが酸化することで黄ばみや臭いとなってしまいます。
しかも、汚れがついてからしばらく経った後でないと、その汚れは面に浮き上がってはきません。
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でも変色してしまった後からでは、慌てて洗濯をしても元のような状態にはもどらないことも・・・
変色してしまうことを防ぐためにも、目に見える汚れになる前に月に1,2回は洗うことが大切です。
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月に1~2回となると毎回クリーニングにだしてもいられないので、カシミヤ専用の洗剤を使った家庭での手洗いがおすすめです。
カシミヤストールの手洗いにオススメの洗剤
カシミヤを洗う際にうしなわれがちなラノリンの天然成分を配合しているため、カシミヤ本来の風合いが蘇ります!
お肌にもカシミヤにも優しい洗剤です。
ストールの汚れは肌着と同じ!
では、一番汗をかきやすいのは体のどの箇所なのでしょうか?
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一番汗をかきやすい体の箇所ランキングをみてみると、堂々の1位が「頭・顔・首」とのこと。
ということは、あなたの大切なカシミヤのストールにも汗がたっぷり染み込んでしまっているということです。
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ストールは首に直接巻くものです。肌着と一緒で、常に肌に密着しているため汗や皮脂などがつきやすいのです。
汗や皮脂以外にもファンデーションなどの化粧品やホコリ、自転車の油汚れ、たばこの煙や車の排ガスで意外に汚れている外気、焼肉の臭いなどストールには多くの汚れや臭いがついています。
ファンデーションなど目に見える汚れの場合は気づきやすいのですが、外気の汚れなど一見しただけでは目に見えない汚れも多いので注意が必要です。
ぱっと見はそれほど汚れているように見えなくても、手洗いしてみると水が黒っぽくなってしまうこともよくあります。
まとめ
汚れや臭いは時間の経過と共に落としにくくなってしまいます。
汗や皮脂など生地にしみこんだ汚れと、ホコリやニオイなどの外側の汚れ、両方に効果的なのはなんといっても水を通すこと!
大切なカシミヤを守るためにも、目に見える汚れになる前に月に1,2回は家庭で手洗いすることが大事です。
家庭での水洗いはポイントさえ守れば誰でも簡単に10分ほどでお手入れすることができます。
汚れが見える前に定期的に手洗いして、お気に入りのストールをきれいに長持ちさせてくださいね。
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